トレイはなぜ3本の指で持つのか
ちょっとオシャレなレストランや歴史のあるカフェの熟練したウエイターさんを見ていると、3本の指でスマートにトレイを支えています。
トレイの上がいっぱいになるようなときでも、軽々と飲み物や料理を運んでいるような気がしますが、なぜ3本の指なのかを武蔵野珈琲店の店主に聞いてみました。2本では無理ですが、4本でも5本全部の指でもいいと思いますが、なぜ3本なのでしょうか。
3本の指で支える理由
飲み物や料理を運ぶときになぜ3本の指なのかをマスターに聞くと「慣れると、3本が一番簡単だし楽なんですよ」という答えが返ってきました。
「店の中では、飲み物や料理を運んでいるときにお客様が急に手を上げたり、身体を動かしたりするときがあります。当然こちらもお客様の邪魔にならないように身体を動かしてよけます。そのときに3本の指だと、トレイを水平に持ったまま身体が動かせるんですね。
試してもらうとわかると思いますが、手のひらでべったり持ったりしていると身体の動きにあわせて、トレイも斜めになったりするんです」と、さらに詳しい説明をされて納得しました。
そういえばカメラを支える3脚も3本だし、ロッククライミングの基本も「3点確保」です。3本指がバランスをとるのにいちばん適しているんですね。
余談になりますが、トレイのことをちょっと年配の飲食系の人は「トレンチ」と呼ぶことがあります。
「トレイ」は、TRAYでお盆のことですから、わかりやすいと思います。
しかし、「トレンチ」はちょっと意味がわかりませんでした。
トレンチで、すぐに思い浮かんだのが「トレンチコート」のトレンチですが、これは戦争で使う塹壕(ざんごう)などの意味です。ちょっと違うようですね。
これが、「trencher」(トレンチャー)という言葉になると、塹壕兵という意味のほかに「木皿 」「切分け皿」(パン・肉の)という意味があるようなので、こちらのほうからきているのかもしれません。
まあ、塹壕もそこだけ見れば浅く掘られてお盆のような形と言えないこともないのかな。
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