ロブスタこそ本物の珈琲?!

実話を元に作られた「チャップリンからの贈りもの」という素敵な映画をご存知ですか。

チャーリー・チャップリンが1977年(昭和52年)12月25日に亡くなった時に実際に起こった「棺盗難事件」を題材にしています。

ちょっとドジな2人組が、チャップリンの遺体をおさめた棺桶を墓地から掘り出して盗み、身代金を要求。哀しくもおかしくもある作りの映画で、棺に入ってもまだ、笑わせてくれるチャップリンです。

チャップリンの息子や孫娘が出演したり、本物のチャップリン邸がロケに使われたりと、チャップリン家も協力しています。

コーヒー好きとして注目したいのが、ドジな棺桶泥棒のセリフ

専門家にはアラビカの方が…

ドジな棺泥棒の一人は、どうやら相当なコーヒー好き。娘との朝食の時につぶやきます。

「ロブスタ!」
「専門家にはアラビカの方が評判がいいらしい。香りも味も上だと」
「バカな! ロブスタこそ本物さ」

このセリフに「うん、うん、そうだ!」とうなずく人も多いのではないでしょうか。

まずは、カップに顔を近づけ香りを楽しみます

現在流通している珈琲豆は、大きく分けるとアラビカ種とロブスタ種。リベリカ種というものもありますが、ごく少量です

人気のブルーマウンテンやマンデリン、モカ、ブラジル、キリマンジャロといった豆はアラビカ種。生産される珈琲豆の約70%がアラビカ種と言われています。

ロブスタ種は、コンゴで発見されたカネフォーラ種の変種でジャワ島で栽培されて広まりました。アラビカ種に比べ、病害虫に強く樹を植えてから早く収穫できるといった長所があります。

インドネシアやベトナムで多く栽培され、インスタント用や安い珈琲豆の増量用として使われています。アラビカ種の豆よりかなり小粒。大粒なマンデリンやハワイコナと比べると、半分ぐらいの大きさです。

酸味が少なく、焦がしたような香りと苦味が魅力。フレンチやイタリアンといった深入りのコーヒーとしてもよく使われます。

説得力のある表情でロブスタの魅力を語ります

武蔵野珈琲店のロブスタ

映画の中では、ペーパードリップですが、武蔵野珈琲店ではネルドリップの1杯取りで淹れたジャバロブスタ(ジャワ島産のロブスタ)をストレートメニューにしています。

マスターが良質なロブスタをていねいにハンドピック。野性味あふれるロブスタの魅力を深入りで引き出し、スッキリした雑味のない味が楽しめます。

右側がアラビカ種であるコロンビア、左側がジャバロブスタです。武蔵野珈琲店のロブスタは、かなり質のいい豆ですが、一回りぐらい小さく丸い形になります
苦味と重厚感のある味は、コーヒーとカタカナで書くより、珈琲と漢字で表記したほうがぴったりときます。酸味はほとんど感じられません。マイセンの器にロブスタというぜいたくな組み合わせです

ずい分前に、マスターがポツリと言ってました。

「一人客で座るとすぐ、ジャバロブなんて注文されると緊張しますね。そういった時は、一番使いやすいネルでとくにていねいに淹れます」

少し武蔵野珈琲店の裏話をすると、マスターはブレンドを淹れるネル以外に、ストレート用のネルを5つほど持っています。

豆の種類や焼き具合、挽き具合によって使い分けているのですが、稀にすごく具合のいいネルに出会う事があります。

そんな時は、ネルも消耗品なので、なるべく丁寧に扱い、「いざ」という時のための「勝負ネル」としてとっておくわけです。

こんな目に見えない細かいところにこだわるのも、武蔵野珈琲店の特徴です。

ちなみに、電動ミルの横に手挽き用のミルがありますが、これは手で挽く感触で豆の乾燥具合を確認するために置いてあります。

ジャバロブスタは、1杯750円。コーヒー好きとしては、一度は確かめておきたい味。酸味がほとんどないので、酸味の苦手な方にもおすすめです。

なお、最後に少し映画の種明かしをしておくと「チャップリンからの贈りもの」は、チャプリンの映画をよく知っている人にだけわかる隠し味がいくつもくわえられています。

ドジな泥棒の一人が最後はサーカス団にいたり、湖畔をバックに立つチャプリンの銅像など、チャプリンファンには思い当たるところがあると思います。エンドロールまで、しっかりとご覧ください。

最後の最後までしっかりと見たい映画です

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チャップリンからの贈りもの 公式サイト (※外部サイトです) 「チャップリンからの贈りもの」は、デジタル配信もされています。